まずは、両シリーズの基本的な位置づけについて説明しておきましょう。
HDRシリーズは、幅広い車種に対応した多機能モデル群です。特に業務用や高性能を求めるユーザーをターゲットにしています。法人向けの機能が充実しており、24V車にも対応しているのが大きな特徴です。
一方、ZDRシリーズは、コストパフォーマンスを重視し、一般消費者向けに設計されています。特に価格を抑えつつも必要な機能を備えたモデルを提供することで、広範なユーザー層を獲得しています。最新のイメージセンサー技術を積極的に採用し、高画質な録画を実現しているのが特徴です。
それでは、両シリーズの具体的な違いを見ていきましょう!
1. 決定的な違い:対応電圧
HDRシリーズとZDRシリーズの最も明確な違いは、対応電圧です。
HDRシリーズ:12V/24V車に対応 ZDRシリーズ:主に12V車のみに対応
この違いによって、HDRシリーズは乗用車から大型トラックまで幅広い車種で使用可能です。例えば、HDR362GWモデルの仕様では電源電圧がDC12V/24Vと明記されています。
一方、ZDRシリーズの多くのモデルは12V車専用となっています。この対応電圧の違いは、HDRシリーズが法人や商用車市場もターゲットにしていることを示しています。
つまり、トラックやバスなどの24V車でコムテックのドライブレコーダーを使いたい場合は、迷わずHDRシリーズを選ぶことになります。個人で普通車のみお持ちの方なら、ZDRシリーズでも問題ありません。
2. 運転支援機能の違い
運転支援機能についても、両シリーズには特徴的な違いがあります。
HDRシリーズの特徴的な機能:
- GPS警報機能(逆走お知らせ)
- 事故ポイント警告
- ヒヤリハット地点警告
- 速度監視路線警告
これらのGPS警報機能は、HDR965GW、HDR963GW、HDR953GWなどの機種に搭載されていますが、ZDRシリーズには搭載されていません。
ZDRシリーズの特徴的な機能:
- 前方信号お知らせ機能
- 先行車発進お知らせ
- 先行車接近お知らせ
- 後続車接近お知らせ
特に前方信号お知らせ機能は、ZDRシリーズで搭載されている機種が多いですが、HDRシリーズにはありません。
信号待ちで前の車が発進したことに気づかず、後ろからクラクションを鳴らされた経験はありませんか?ZDRシリーズの「先行車発進お知らせ機能」があれば、そんな恥ずかしい思いをすることもなくなりますよ。
車線逸脱警告については、両シリーズで搭載している機種がありますが、HDRシリーズの方が対応機種が多い傾向にあります。
3. 画像処理技術の違い
ドラレコの本質は録画性能にあります。両シリーズの画像処理技術にも違いがあります。
HDRシリーズ
- HDR機能搭載(白飛びなどの明暗差を補正)
- HDR965GWのリアカメラに「ブライトナイトビジョン」搭載
- STARVIS技術は非搭載
ZDRシリーズ
- 一部モデルにSTARVIS技術搭載(ZDR035、ZDR037など)
- HDR機能も搭載(ZDR035、ZDR037など)
- 一部モデルにWDR機能搭載(ZDR037の高解像度設定時)
STARVIS技術とは、ソニーが開発した低照度に強いイメージセンサー技術で、夜間や暗い場所での撮影性能を大幅に向上させます。ZDRシリーズには、このSTARVIS技術を搭載したモデルがあり、夜間の録画品質に強みを持っています。
HDRシリーズでは、HDR965GWのリアカメラに「ブライトナイトビジョン」という独自技術を搭載していますが、STARVIS技術は搭載していません。
また、最新のZDRシリーズは高画質で、前後共に総画素数500万画素のWQHDカメラを採用したモデル(ZDR036など)もあります。これはフルHDの約1.8倍の画素数で、従来よりも高精細な映像を記録できます。
通信型のZDR058は、4G LTE通信機能を搭載し、走行時や駐車監視時のイベント録画をクラウドサーバーに自動保存できる先進モデルです。
4. 製造国の違い
意外と気になるのが製造国の違いです。
HDRシリーズ
- 多くのモデルに日本製の明記があります
- 3年間の製品保証付き
ZDRシリーズ
- ほとんどのモデルに表記がなく、多くは韓国製
- ZDR055、ZDR045などには日本製の表記あり
HDRシリーズは、コムテックの公式ウェブサイトで「安心の日本製」と明記されているモデルが多く、品質管理や最終組み立てが日本で行われていると考えられます。
一方、ZDRシリーズの多くのモデルは日本製ではなく、例えばZDR048モデルの箱には「MADE IN KOREA (大韓民国)」と記載されています。ただし、全てのZDRシリーズが海外製というわけではなく、一部のモデル(ZDR055、ZDR045など)には日本製の表記もあります。
製造国によって品質に大きな差があるわけではありませんが、「日本製にこだわりたい」という方は確認してから購入するとよいでしょう。
¥12,800
(2025/04/26 00:21:13時点 楽天市場調べ-詳細)
コムテック(COMTEC)
¥29,800
(2025/04/26 00:21:14時点 Amazon調べ-詳細)
5. 最新モデル比較
ここで、両シリーズの代表的な最新モデルを比較してみましょう。
ZDR055
- 「STARVIS 2」を搭載したドライブレコーダー
- 夜間などの低照度下でも低ノイズ、高鮮明な映像を撮影
- 「Clear HDR機能」搭載で動きのある物体でも色ずれのない映像を撮影
- 対角168度の広角レンズを採用
- 7つの運転支援機能搭載
- 日本製で3年保証付き
ZDR048
- ミラー型ドライブレコーダー
- 10.66型の大画面液晶で映像も見やすい
- 「PureCel Plus技術」搭載したCMOSセンサーで夜間でもノイズの少ないクリアな映像
- 液晶画面のカメラ映像は3段階に拡大表示可能
コムテック(COMTEC)
¥15,960
(2025/04/26 00:21:15時点 Amazon調べ-詳細)
HDR965GW
- 前後2カメラドライブレコーダー
- 日本製で3年保証付き
- microSDカード32GB・直接配線コード付属
- リアカメラに「ブライトナイトビジョン」搭載
コムテック(COMTEC)
¥22,000
(2025/04/26 00:21:15時点 Amazon調べ-詳細)
HDR362GW
- 360度全方位+リヤカメラ搭載
- GPS/ナイトビジョン機能/GPS警報機能搭載
- 日本製で3年保証
- 補償サービス2万円付き
コムテック(COMTEC)
¥30,250
(2025/04/26 00:21:16時点 Amazon調べ-詳細)
どのモデルを選ぶかは、車種や使用目的によって変わってきますが、最近の傾向としては、ZDRシリーズの方が画質面で進化が著しく、特に夜間撮影性能に優れているようです。
6. メリット・デメリット比較
両シリーズのメリット・デメリットを簡潔にまとめてみましょう。
HDRシリーズのメリット
- 対応車種が広い:12V/24V対応で大型車にも適している
- GPS警報機能:安全運転を支援する機能が充実
- 日本製モデルが多い:信頼性が高く、保証期間も長い(3年)
- 明暗差補正:HDR機能で白とびや黒つぶれを軽減
HDRシリーズのデメリット
- 録画性能の限界:ZDRシリーズに比べて夜間撮影性能や画質が劣る
- モデルの選択肢が少ない:ミラー型や通信型は非対応
ZDRシリーズのメリット
- 高画質録画:STARVIS技術搭載モデルで夜間撮影や低照度環境に強い
- 多様なモデル展開:ミラー型や通信型など、個人ユーザー向けの選択肢が豊富
- 前方信号お知らせ機能:運転支援機能として利便性が高い
ZDRシリーズのデメリット
- 対応車種が限定的:12V車のみ対応で大型車には不向き
- 保証期間が短い:日本製ではないモデルが多く、保証期間は1年のものが主流
- 価格が高め:高性能ゆえにHDRシリーズより価格帯が上昇する傾向
8. おすすめの選び方
では、実際にどのように選べばよいのでしょうか?
24V車(トラックやバスなど)を所有している場合 → HDRシリーズを選びましょう。特にHDR362GWはGPS警報機能も搭載しており、安全運転をサポートしてくれます。
夜間や薄暗い場所での撮影が多い場合 → STARVIS技術搭載のZDRシリーズがおすすめです。ZDR035やZDR055などは夜間の映像も明るく記録します。
後方視界をデジタルミラーとして使いたい場合 → ミラー型のZDR048がぴったりです。10.66型の大画面でリアカメラの映像をクリアに表示できます。
事故時の映像をスマホで確認したい場合 → 通信型のZDR058がおすすめです。イベント録画をクラウドサーバーに自動保存し、スマホアプリで確認できます。
法人で使用する場合 → GPS警報機能搭載のHDRシリーズが適しています。HDR965GWなどは、逆走警告や事故ポイント通知などの機能で安全運転をサポートします。
一般的な使用で高画質を求める場合 → ZDR035やZDR055などのSTARVIS搭載モデルがおすすめです。前後共に鮮明な映像を記録できます。
9. まとめ
今回はコムテックのドラレコ、HDRシリーズとZDRシリーズの違いについて詳しく解説しました。
HDRシリーズは24V車に対応し、GPS警報機能を搭載したモデルがあるため、法人や大型車向けと言えます。一方、ZDRシリーズは12V車専用ですが、STARVIS技術搭載モデルや多様なタイプ(ミラー型、通信型)があり、一般ユーザー向けの高画質モデルとなっています。
どちらも素晴らしいシリーズですが、車種や使用目的に合わせて選ぶことが重要です。個人的には、最新のZDR055は日本製でSTARVIS 2を搭載しており、夜間撮影性能が優れているのでおすすめです。大型車をお持ちの方はHDR362GWなどのHDRシリーズを検討されるとよいでしょう。
ドライブレコーダーは「付けていて良かった」と思える瞬間が来ないことが一番ですが、万が一の時のために高性能な録画機能と信頼性の高さで選ぶことをおすすめします。
10. よくある質問(FAQ)
Q: HDRとZDRのどちらが画質が良いの?
A: 一般的に、STARVIS技術を搭載したZDRシリーズのモデル(ZDR035やZDR055など)の方が、特に夜間や低照度環境での撮影において画質が優れています。HDRシリーズでもHDR965GWのリアカメラには「ブライトナイトビジョン」が搭載されていますが、総合的な画質ではZDRシリーズの最新モデルに軍配が上がることが多いです。
Q: 駐車監視はどちらが優れている?
A: 駐車監視機能に関しては、両シリーズとも同等の機能を持つモデルがあります。特にZDR043は、専用の直接配線コード(HDROP-14)を使用することで、駐車中の車両を最長24時間監視し映像を記録できます。選ぶ際は個別のモデルごとに駐車監視機能を確認するとよいでしょう。
Q: 価格差はどれくらい?
A: モデルによって異なりますが、一般的にZDRシリーズの方が高機能で価格が高い傾向があります。HDRシリーズは比較的安価で、価格帯は約15,000円~20,000円程度です。ZDRシリーズは高画質や多機能を搭載し、価格帯は約20,000円~40,000円以上となっています。
Q: 日本製はどちらが多い?
A: HDRシリーズの方が日本製モデルが多い傾向にあります。ZDRシリーズは多くが韓国製ですが、ZDR055やZDR045などには日本製の表記もあります。日本製にこだわる場合は、購入前に確認することをおすすめします。
Q: 前方信号お知らせ機能はどのように役立つの?
A: この機能は信号待ちの際に、前方の信号機が赤から青に変わったことを教えてくれます。スマホをチェックしていたり、一瞬ボーっとしていたりして信号の変化に気づかない場合に便利です。特に渋滞時や疲れている時に役立ちます。ZDRシリーズの多くのモデルに搭載されていますが、HDRシリーズには搭載されていません。
あなたの車と用途に合ったコムテックのドラレコで、安全・安心なドライブライフを送ってくださいね!