2025年9月、スタッドレスタイヤ市場に大きな話題が舞い込みました。
ブリヂストンの「BLIZZAK WZ-1」とヨコハマの「iceGUARD 8(IG80)」が、まるで示し合わせたかのように同時発売されたんです。
どちらも各メーカーが総力を結集した最高峰モデル。
氷上性能、雪上性能、そして何より「家族の安全」を守るための技術が詰め込まれています。
でも、だからこそ迷いますよね。
「技術的な話は複雑で判断しづらい…」 「どっちが自分に合っているのか確信が持てない…」
そんなあなたのために、この記事では両者の違いを分かりやすく解説し、「あなたにとってベストな選択」ができるようサポートします。
安全を最優先に考えるあなたなら、この2択は、どちらを選んでも正解です。
一目で分かる!基本スペック比較
| 項目 | BLIZZAK WZ-1 | iceGUARD 8(IG80) |
|---|---|---|
| メーカー | ブリヂストン | ヨコハマ |
| 発売日 | 2025年9月1日 | 2025年9月1日 |
| 主要技術 | Wコンタクト発泡ゴム / ロングステイブルポリマー / ENLITEN | 冬ピタ吸水ゴム / 水膜バスター / E+マーク対応 |
| 氷上ブレーキ性能 | VRX3比11%短縮 | iG70比14%向上 |
| 氷上旋回性能 | VRX3比4%短縮 | iG70比13%向上 |
| 性能持続性(4年後) | ◎(発泡ゴム実績) | ◎(オレンジオイルS+) |
| ハイブリッド対応 | ENLITENで軽量化・燃費向上 | E+マーク搭載 |
| 価格帯 | やや高め | 標準レベル |
| コンセプト | 総合バランス重視 | 氷上性能特化 |
BLIZZAK WZ-1の魅力:「安心の積み重ね」というアプローチ
進化し続ける発泡ゴム技術
ブリヂストンのBLIZZAKシリーズといえば、「発泡ゴム」。
これ、スタッドレスタイヤの歴史の中で何度も進化を遂げてきた技術なんです。
氷の上で滑る原因、それは氷の表面にできる薄い水の膜。
この水膜があると、どんなにゴツゴツしたタイヤでも滑ってしまいます。
発泡ゴムは、スポンジのような構造でこの水膜を「吸い取る」という発想から生まれました。
WZ-1に搭載された「Wコンタクト発泡ゴム」は、その集大成です。
ゴム内部の気泡(水を吸い取る穴)をより効率的に配置することで、VRX3と比べて氷上ブレーキ性能が11%短縮、氷上旋回性能が4%短縮という成果を達成しています。
「え、11%って微妙じゃない?」と思いました?実は、この数字、めちゃくちゃすごいんです。スタッドレスタイヤの性能向上って、数%でも大変な努力が必要。11%という数字は、技術者たちの血と汗の結晶なんですよ。
4年後も安心の「ロングステイブルポリマー」
スタッドレスタイヤの宿命、それは経年劣化です。使い始めて3年、4年と経つと、どうしてもゴムが硬くなって性能が落ちていきます。
WZ-1には「ロングステイブルポリマー」という新しい分子構造を持つポリマーが配合されています。これがゴムの内部結合を安定させ、劣化を大幅に抑制してくれるんです。
ブリヂストンの公式発表では、「4年使用後も新品のVRX3を超える柔らかさを維持」とのこと。長野県で毎シーズンスキー場へ向かう家族なら、この性能持続性は大きな安心材料になりますよね。
しかも、発泡ゴム技術自体に長年の実績があります。VRX3の時点で、すでに4年後の氷上性能維持について多くのドライバーから信頼を得ていました。WZ-1はその技術をさらに磨いたモデルなんです。
総合バランスを追求した「ENLITEN」
WZ-1の隠れた魅力、それが「ENLITEN」技術です。これ、スタッドレスタイヤとしては初の採用なんですよ。
ENLITENは、タイヤ自体を軽量化し、転がり抵抗を低減させる技術。つまり、燃費性能と操縦安定性の向上に直結します。
ハイブリッド車やEV車が増える今、「氷上性能」だけでなく「燃費性能」も追求したブリヂストンの姿勢は評価できます。
実際、WZ-1のスペックを見ると、氷上ブレーキ、ウェット性能、ドライ性能、すべてが◎評価。つまり、「スタッドレスなのに総合バランスに優れたタイヤ」という位置づけなんです。
スキー場への高速道路走行時も、乾いた路面でのハンドリング安定性が高いから安心です。
ユーザーが実感する「安心感」
実際のユーザー評価では、「止まる」という絶対的な性能とともに、「滑り始めてからの挙動が穏やか」という点が高く評価されています。
これ、発泡ゴムの特性によるコントロール性の高さを反映しているんです。
万が一滑り始めても、車の挙動が急激に変化しないから、ドライバーが立て直しやすい。
これ、すごく大事なポイントですよね。
iceGUARD 8(IG80)の魅力:「氷上性能の極限追求」
革新的な「冬テック」コンセプト
ヨコハマのiceGUARD 8は、「冬テック」という新しい技術思想に基づいています。そのコンセプトは、WZ-1とは少し違います。
IG80が徹底的に追求したのは、「氷とゴムの接触点を最大化する」こと。
路面にタイヤを接触させることが難しい冬道では、氷の表面の凹凸にタイヤが密着しているように見えても、ミクロレベルでは氷とゴムの接触が少なかったんです。
この問題を解決するため、IG80は2つのアプローチを取りました。
マクロレベルで路面とタイヤの接触面積を最大化
「冬ピタ吸水ゴム」と「水膜バスター」の威力
IG80の最大の特徴は、新開発の吸水素材「水膜バスター」を小型化して高密度配合したこと。
従来品と比べて、吸水素材を小型化することで、ゴム内部に高密度で分散させることが可能になりました。
その結果、氷との接触面積が従来品(iG70)比で63%も増加したんです。
この数字、ちょっと想像してみてください。
接触面積が1.6倍以上になるって、すごいことですよね。
これが、メーカー公表値で氷上ブレーキ性能14%向上、氷上旋回性能13%向上という驚異的な数値につながっています。
WZ-1の11%短縮と比較すると、数値上はIG80の方が優れているということになります。
特に「早朝の交差点手前のブラックアイスバーン」でのブレーキ性能は、この14%という数値が直結する重要な要素です。
雪上性能も妥協なし
IG80は氷上性能だけでなく、雪上性能にも力を入れています。
結果として、雪上制動性能も4%向上しました。
冬道での走行って、交差点の凍結路(氷上)だけじゃないですよね。まだ雪が積もっている朝の走行や、スキー場への道中での圧雪路面も想定する必要があります。IG80は、これらすべての路面での性能を同時に追求しているんです。
ハイブリッド車に最適な「E+マーク」
IG80には「E+(イー・プラス)」マークが刻印されています。これは、ハイブリッド車やEV車特有のニーズを考慮した設計であることを示すヨコハマタイヤ独自のマークです。
具体的には
- パターンノイズを22%低減:ガソリン車と違ってエンジン音がしないぶん、タイヤからのパターンノイズが相対的に大きく聞こえます。これを抑えることで静かな車内空間を実現。
- ロードノイズを21%低減:さらなる静粛性の追求。
- 発進トルクへの対応:電動モーターのトルクは非常に強く、タイヤが空転しやすい。タイヤのパターン設計や接地面の剛性を強化することで、この空転を防ぐ工夫が施されています。
ハイブリッドなどに乗っている方には、このE+対応は大きな魅力になるでしょう。
長期性能も確保
IG80も4年使用後の性能維持を重視しており、「オレンジオイルS+」を配合しています。
従来のオレンジオイルSを進化させたこの素材が、ゴムの劣化を抑え、しなやかさを長期間維持するとされています。
ただし、WZ-1のロングステイブルポリマーと比較すると、技術的アプローチは異なります。発泡ゴム技術には長年の実績がありますが、新しい吸水ゴム技術も急速に進化しており、信頼性は確実に高まっています。
性能対決:どちらが優れているのか?
氷上ブレーキ性能:数値上の勝負
メーカー公表値では、IG80がWZ-1を上回っています。
- iceGUARD 8(IG80):iG70比14%向上
- BLIZZAK WZ-1:VRX3比11%短縮
数値だけ見ると、IG80の方が優れているように感じます。でも、ちょっと待ってください。
厳密に言うと、「必ずIG80の方が止まる」とは言い切れないんです。なぜなら、実際のブレーキ距離は、タイヤだけでなくABSシステム、ブレーキ配分、路面状況、気温などの要因に左右されるから。
ただし、設計段階では、IG80がより氷上ブレーキ性能に特化していることは事実です。
氷上旋回性能:「効く」vs「立て直しやすい」
氷上でのコーナリング(曲がる性能)でも、両者は異なります。
- iceGUARD 8(IG80):iG70比13%向上(接触面積最大化による即座のグリップ確保)
- BLIZZAK WZ-1:VRX3比4%短縮(コントロール性重視による穏やかな挙動)
IG80は、接触面積を最大化することで、即座にグリップ力を発揮する特性があります。一方、WZ-1は、ゴムのしなやかさを活かして、滑り始めの車の挙動を穏やかに保つ特性があります。
つまり、カーブに侵入する際の「ぐっと効く感覚」はIG80が強く、滑り始めた時の「ドライバーが立て直しやすい感覚」はWZ-1が強いということになります。
雪の多いところにお住まいで、市街地の凍結路とスキー場への高速・山道走行の両方を経験される方なら、この違いがより明確に感じられるはずです。
4年後の性能持続性:「実績」vs「新技術」
スタッドレスタイヤは高価ですから、4年後までしっかり効いてほしいですよね。
BLIZZAK WZ-1の場合: 発泡ゴム技術は、スタッドレスタイヤの歴史の中で最も長い実績を持っています。すでにVRX3の時点で、4年使用後の氷上性能維持について、多くのドライバーから信頼を得ていました。
発泡ゴムの構造的な特性として、ゴムがすり減っても新しい気泡(水の吸い取り穴)が出てくるため、理論的には性能が落ちにくいという利点があります。WZ-1に配合されたロングステイブルポリマーにより、4年後のゴムの硬化をさらに抑制できるという説は、ブリヂストンの公表データと既存ユーザーの実体験の両面から支持されています。
iceGUARD 8(IG80)の場合: 「冬ピタ吸水ゴム」と「オレンジオイルS+」は、より新しいアプローチです。2025年の発売直後のモデルであるため、4年後の実績データが、まだ存在しないという状況があります。
メーカーは「4年後までの性能維持を確実にした」と公表していますが、実際に4年間の使用を経たドライバーからの「使用感」データは、数年後に蓄積されていくわけです。
積雪が多い地域での使用環境を考えると、この4年後の性能差が実生活に大きく影響する可能性があります。冬道走行の安全性を最優先するなら、実績のあるWZ-1に信頼を置くドライバーが多いのは自然なことです。
ハイブリッド車にはどっち?
ハイブリッドに乗っているなら、この視点も重要です。
IG80の「E+マーク」対応設計
E+マークが刻印されているIG80は、ハイブリッド車やEV車のニーズに対応した設計です。
具体的なメリット
発進トルクへの対応
静粛性の確保
ハイブリッド車は、ガソリン車と異なり、発進時にモーターのトルクが直接タイヤに伝わります。この時点で、タイヤが空転しやすいという課題があります。E+対応設計なら、この空転を防ぐ工夫が施されています。
WZ-1の「ENLITEN」による軽量化と燃費向上
一方、WZ-1のENLITEN技術は、タイヤ全体を軽量化し、転がり抵抗を低減させます。
これは、ハイブリッド車やEV車の燃費性能に直結する利点です。
ハイブリッド車は、回生ブレーキというシステムで、走行中の余ったエネルギーを回収して充電に活用しています。タイヤの軽量化と転がり抵抗の低減は、この回生ブレーキの効率を高め、結果として電費(走行距離あたりの電力消費)を改善します。
スキー場への高速道路走行や、乾いた路面での安定性も、WZ-1のENLITEN技術により高められています。
どちらを優先するか
これは、あなたの運転優先事項によって変わります。
- パターンノイズや発進時の扱いやすさを重視するなら:IG80のE+対応
- 燃費性能と走行安定性を重視するなら:WZ-1のENLITEN
どちらを選んでも、ハイブリッドとの相性は良好です。
実際には、ガソリン車でもハイブリッド車でも、スタッドレスタイヤの基本性能(氷上性能、雪上性能)の方が、装着車の燃費や静粛性よりもはるかに重要です。
あなたにとってのベストな選択は?
ここまで読んでいただいて、どちらを選ぶべきか見えてきましたか?
最終的な判定のために、3つの質問を自分に投げかけてみてください。
質問1:氷上ブレーキの「14%向上」という数値を信頼しますか?
IG80を選ぶべき方は、この数値に価値を感じる方です。
設計段階での明確な性能差が、実走行でも体感できると考える方に向いています。
一方、WZ-1は従来比で11%短縮と、やや保守的な数値ですが、その代わりに4年後の性能持続を重視しています。
質問2:4年後のゴムの硬化リスクにどの程度の不安を感じますか?
スタッドレスタイヤは4年が目安とされていますが、実際には4年を超えても使用を継続するドライバーも多くいます。3年目から4年目へ向かう時点で、ゴムの硬化を実感する方もいれば、ほとんど実感しない方もいます。
WZ-1のロングステイブルポリマーは、この不安を最小化するために搭載されています。
新しい技術だと、4年後が不安という方は、発泡ゴムの長年の実績に信頼を置くことになるでしょう。
質問3:ハイブリッドの「静粛性」と「走行安定性」のどちらをより重視しますか?
IG80のE+対応とWZ-1のENLITEN、どちらを優先するかで、選択が大きく変わります。
最終的なアドバイス
「4年後も安心して使いたい」という強い思いがあるなら → BLIZZAK WZ-1
発泡ゴム技術の長年の実績と、ロングステイブルポリマーによる性能持続が、あなたの不安を和らげてくれるでしょう。
「今この瞬間の氷上性能を最大化したい」という強い思いがあるなら → iceGUARD 8(IG80)
冬テック技術による氷上ブレーキ14%向上という明確な性能差が、あなたの安心感につながるでしょう。
どちらを選んでも、安全は確実に守られます。
冬シーズンが安全で快適な運転になることを、心から応援しています!



